出会い系で知り合った20代シングルマザーと昼間に遊んできた

出会い系で知り合った20代シングルマザーと昼間に遊んできた

出会い系で知り合った20代シングルマザーと昼間に遊んできた

彼女と出会ったのはPCMAXという出会い系サイトでした。出会い系というと怪しげなイメージが付きまといますが、このサイトはそんなことなく、いたって健全な優良出会い系サイトです。

下心がなかったかといえば、答えはノーです。多少の下心はありました。そもそも、下心がなかったら出会い系になんて登録していませんからね。

しかしその下心は不純なものではなく、ただ純粋に女性と知り合いたい。そういう思いからきていました。おそらく、彼女もそうだったのでしょう。誰かと知り合って、話して、遊んで。ただそれだけの関係を望んでいたのだと思います。

20代シングルマザーとの出会い

20歳の俺が出会い系で何をしていたかと言えば、何もしていませんでした。本当に出会えるとは思っていませんでしたし、何よりお金がなかった。だから時折送られてくる無料ポイントで細々とメールを送るだけ。それも実りある結果には結びつきませんでしたが。

彼女、翔子さんにメールを送ったのはほんの偶然。彼女のプロフィールをたまたま覗くと、読書が趣味と書いてあって、その後に俺も好んで読んでいる作家の名前が好きな作家の1人として挙がっていました。

これも下心っていうんでしょうか。

趣味の合う女性と知り合いたい。いや、もっといえば女性と知り合いたい。俺は好きな作家が同じであることを簡潔に述べて、「良かったら仲良くしませんか」とメールを送りました。

期待はありませんでした。送ってから、何やってるんだろう俺、と自分自身に呆れたくらいです。こんなことして、何になるんだと。しかし、案に相違してメールは返ってきました。

「はじめまして。メール嬉しいです。何の本がお好きなんですか?」
「返信ありがとうございます。俺は○○が好きです。翔子さんは?」
「私もその本大好きです。私が一番好きなのは、○○とかですかね。読んだことありますか?」

他愛のない会話。でもそれが凄く嬉しかった。会話を続けるうち、俺はポイントがなくなりかけることに気づきました。クレジットカードを持たない俺は、コンビニに走り、急いでポイントを補充しました。

課金したのなんて初めてのことでした。その後すぐ、翔子さんからLINEをしませんかと誘われ、俺は即座にオッケーしました。

彼女がシングルマザーだと知ったのは、それから1時間後のことでした。

出会い系のシングルマザーと会うには

原因は俺の不注意。好きな作家の名前にばかり惹かれて、他の部分を全く見ていませんでした。ちゃんとシングルマザーだと書いてあるのに。3歳の娘が1人いると、そう書いているのに。

なんだか彼女を裏切ったような気がしました。女性特有の勘というやつでしょうか、翔子さんも敏感にそのことを察すると、俺にこう申し出てきました。

「やり取り、止めましょうか?」
「どうしてですか?」
「シングルマザーというのが、気になっている様子でしたので」

何やってるんだろう、俺。そんなの関係ないのに。シングルマザーがどうとか、関係ないのに。俺は必死に弁明を図り、なんとかやり取りは続けられることになりました。しかし刻まれた溝はなかなか埋まることなく、しばらくぎこちのないやり取りが続きました。

翔子さんにはバツが付いていないということを、俺はその数日後に知りました。未婚のシングルマザー。彼女の年齢が今26歳だから、娘さんは23歳の時に産んだことになります。産まないという選択肢はなかったのでしょうか。

訊くと、俺はこっぴどく怒られました。命を粗末に扱うことの不義理を、怒りと悲しみを交えながら、彼女は懸命に俺に説明してくれました。

この人は今の自分を誇りに思っている。

思えば、その頃の俺はシングルマザーという存在をどこか同情の眼で見ていたのかもしれません。でも本当に可哀想なのは俺でした。人間を肩書きで安易に判断してしまう俺が、最も可哀想で、下劣でした。

会ってみたい。

ふと、思いました。感情の逆転とも言うべき現象なのでしょうか、この人と直に会って、話してみたいと、そう思いました。俺はそれを何の飾り気もない言葉で伝えました。答えはもちろん、会えない。

理由はいくつかありました。子供のこと、彼女の仕事のこと、そして何より会って何をするのかと。拭いきれない不信感がそこにはありました。初めにできた溝が、根底に横たわっています。

それでも俺は懸命に想いを伝えました。にべもない断りの連続。いっそのこと連絡を断てば良いのに、翔子さんはその選択をしませんでした。それくらい俺の行為は、我ながらしつこく、そして女々しかった。

やがて1ヶ月ほどが経ち、翔子さんからとある連絡が入りました。

「今度時間作れるけど、会ってみますか?」

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約束事は2つ。午後4時には帰ること、そしてその間絶対に何もしないこと。警戒心が悲しくもありましたが、当たり前のことです。俺は男で、翔子さんは女性なのですから。警戒しない方が、おかしい。

待ち合わせたのは横浜のみなとみらい。前々から赤レンガ倉庫が見たかったそうで、翔子さんたっての希望でした。

今にも飛び出してきそうな心臓の鼓動を感じながら直立不動の姿勢を保っていると、スマホの振動が着信を告げました。翔子さんからです。思えば初めての電話。緊張に手を震わせながら、俺はスマホを耳に当てました。

「今、どこですか」
今、どこですか

声が重なって聞こえる。あれ、と思い辺りを見回すとすぐ近くに俺と同じポーズを取っている女性がいました。多分、隣にいます。そう伝えるとその女性はこちらを向きました。

ぽかんとした彼女の顔は、とても面白くて、そして魅力的でした。気の強そうな眼が真ん丸になっているのがいっとうおかしくて、俺は思わず笑みを浮かべながら彼女に近づきます。

「はじめまして」
「はじめまして。近くにいたんですね」
「はい。声が重なって聞こえたので分かりました」

くつくつとひとしきり笑い合って、俺たちは出発しました。プランはあってないようなもの。今日は翔子さんに徹底的に付き合うと決めていましたから。しかし、彼女は振り向くと言いました。

「今日はどこから行くの?」
「え、決めてませんけど」
「決めてないのかあ。そんなんじゃモテないよ」

やはり決めておけば良かったですね。デートじゃないという思いからてっきり翔子さんが行きたい場所に行くと思っていました。そしてふと気づきました。翔子さんがタメ口を使っている。普段LINEでも敬語なので、それがなんだか無性に嬉しかったのを覚えています。

結局俺たちはそこらへんを適当にブラブラすることにしました。とはいえみなとみらいといえば言わずと知れたデートスポット。適当に歩いても面白そうな場所はいくらでも見つかりました。

ウインドウショッピングを楽しみ、ゲームセンターに行き、ちょっとオシャレな場所でランチを食べ、そうしている間に時間はあっという間に過ぎていきました。楽しい時間はあっという間に過ぎるということを、俺はその時初めて実感しました。

別れ際には、翔子さんも名残惜しそうにしていました。多分、俺の感情が伝染したのでしょうね。バイバイと言って駅のホームに吸い込まれていく彼女の手を、俺は掴みました。驚き、こちらを見る彼女の眼を見て、俺は言いました。

「今度は娘さんもいっしょに遊びませんか」

彼女はじっと俺の眼を見て、やがてスルリと腕から抜けると改札を潜っていきました。返事は、ない。いや、きっとそれが返事だったのかもしれません。俺は両脚に落胆という足枷を付けながら、重い足取りで帰路につきました。

家に着き、スマホを覗くとLINEに1通の未読メッセージが。僅かな希望を人差し指に託し、俺は翔子さんとのトーク画面を開きました。

「ごめんなさい。ありがとう」

分かり切った返事とはいえ、ショックでした。ショックで、俺はそのまま誘われるように眠りにつきました。だからすぐには気づけませんでした。その後しばらくして送られてきた写メ付きのメッセージに。

「娘の名前は美菜と言います。宜しくお願いします」

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